2014年6月30日月曜日

人狼の代わりについて(あるいは比較対象の紹介)

人狼の記事が話題になっている。[どこで?]
もう元の記事が何が問題だったのかとか、ツイッターでの反応はとかはまとめられているので、私はソムリエ的なことをやってみようと思う。
人狼というのは、トランプを使用してもできるゲームで、よく使われる「ミラーズホロウの狼男」や「タブラの狼」、「究極の人狼」なんかは、雰囲気出しやコンポーネントあるいは特殊能力の追加として売りだされているものである。(あるいは初めて人狼をやろうって人はルールブックのために買うのかもしれない)
要は作者不詳なので、各々が「こうしたら面白いだろう」と様々な追加をしている遊びである。だから、万人が遊んで面白いのか?という普通のゲームなら必須であろう観点は少し抜けているゲームなのである。(伝統ゲームみたいなものなので、商売気がないのは当然とも言える)
では、この状況にゲームデザイナーという人種は手をこまねいて見ているのだろうか?
当然少し遊びやすくしたり、理不尽な点を改善したゲームというのは市場に出回っているということになる。今回はそれらを紹介しよう。

1、レジスタンス


レジスタンスは改良人狼と言っていい作品だ。ゲーム中の脱落という(普通のゲームから考えると)一番の欠点を、ミッションへの投票形式という形でなくしてしまっている。また、ゲームを5ラウンドに区切りそれぞれのミッションの達成難易度を変えることによって、ゲームの勘所は人狼よりもつかみやすくなっている。

レジスタンスの最終ラウンドは味方全員をミッションに連れて行かなくては勝利できない数になっている。このことによって、少なくとも最終ラウンドまでにはスパイ(狼)の目星をつけるゲームなんだなということが誰の目にも明らかになっているわけです。他にも色々利点があるけど割愛

2、レジスタンス・アヴァロン


レジスタンス・アヴァロンは改良人狼であるレジスタンスの改良である。レジスタンスはシステム的にはいいゲームであったのだが、流石にヒントが少なすぎて【投票行為を回しながら他の人の一挙手一投足に目を配ってプレイの矛盾を探す】という初心者ドン引きというか、遊んだ人でも「じゃあ、何を根拠にするのさ?」という展開になる場合もあった。
これに「答えを全部知っているけど、それが敵にバレたら村人側の敗北になる」という非常に重要な役割(マーリン)を村人に追加することで、指針をわかりやすくした。人狼側には【マーリン候補を探す】という大目標を追加し、村人側には【マーリンを探しながら、自分がマーリンであるかのように狼を誤認に導く】というわかりやすい目標を設定。
マーリンに選ばれてしまうと、すごい大変という難点はあるが、ゲームの流れは非常によく見える追加であり、今のところ人狼っぽいゲームの中では遊びやすいゲームになっていると思う。

3、カラヤのスルタン


スルタン(王様)側と、奴隷側に分かれてそれぞれの勝利条件を目指し合う。これもさわりだけ聞くと人狼っぽいゲーム。特徴的なのは、役割カードを覗いたり、交換しあったりすること。役割ごとの特殊能力なんかも使いながら。両陣営どちらかの勝利条件を上手く満たすゲーム(あるいは満たしそうな陣営の役割カードをゲーム終了時に持っておく)。
実際にやってみると人狼からはかけ離れたゲームではあるが、スピーディーな展開の推理ゲーム(慣れてくると嘘をつく隙間もちゃんとある)として個人的にはお気に入りのゲーム。途中脱落もあるが、1ゲームが短いので人狼ほどは気にならないはず。
役割カードごとの特殊能力が割りと多めなので、ここのサマリーを推奨します。(秋田ボードゲーム倶楽部 http://akitaken.dip.jp/abc/log/eid253.html)

4、ルプスブルグ

未プレイのため未評価
参考(http://tbgl.p1.bindsite.jp/games/lupusburg.html)

5、メイデイメイデイ

未プレイのため未評価(やはり、自分で買わないとできないね)
参考(http://www.tgiw.info/2014/04/mayday_mayday.html)

というわけで、竜頭蛇尾であった。
ソムリエなんだから、人狼はしないとか言わずに他のオススメゲームを紹介するのが吉だったのでは?
カラヤのスルタンは面白いので、みんなやるべきであるということで締めとさせていただきたい。