2012年7月24日火曜日

Glory to rome (「ローマに栄光あれ」)

~万人にはお薦めできない だがはまってしまえば、まさしく面白さの塊~

素晴らしく醜い箱絵

Innovationは
カールチャデクの最新ゲーム!
  筆者的にはInnovationの”作者”が売れるきっかけになった作品という認識でした。後、ゲームは面白いのに絵がひどい、箱がプラスチックで所有欲が満たされないと、ゲーム外の評判は聞くのですが、肝心の中身については、実プレイした人をあまり見かけたことがないというゲームでもありました。
  最近、プレイする機会に恵まれ(イェー)、その後も無理やりプレイする機会を2回ほど追加できたので、レビューすることにしました。

  システムとしては大きな要素として、スタートプレイヤーの『役割選択』とそれへの『相乗り』。そして、その相乗りができるかどうかは抱えている手札と場に出しているカードに影響を受ける。スタートプレイヤーの選んだ役割の能力を使わなければ、手札の補充ができるという『手札管理』が柱にあると思います。
  これだけなら非常にシンプルでわかりやすいジレンマである。名作「プエルトリコ」や同じカードゲームの「レース・フォー・ザ・ギャラクシー」と似た様なジレンマが引き起こされること請け合いで、手放しで褒めてもいいように見える。(似た様なジレンマって具体的にはなにか? A:アイツにはこの能力させたくないが俺の最大利益的にはしたい どうしよう
  しかし、このゲームこれは序の口です。このある意味ちゃんと理解できるジレンマに、これでもかと追加要素を加えていく。





  役割選択カード、リソース、建物タイル、得点タイルはすべて別のタイル・カード・チップで表されているのは「プエルトリコ」。そんなの当たり前だって思います?Glory to romeは全部一つ一つのカード中に含まれています!商人のアクションを選択するカードは石材という資源を表すカードでもあり、ある建物を表すカードであり、金庫に入れれば3点にもなります。(このカードは職業:商人を選択するカードでもあり、石材という資源でもあり、商人というアクション数増加のための市民でもあり、下水道という特殊効果を持った建物でもあります、金庫に入れれば3点ですね)

  こうなると手札管理は至難を極めます。さらに職業選択で手札から晒したカードは次のターンから相手もアクセス可能な資源(兼アクション数増加カード=市民)として扱われてしまいます!「この職業を選択したい…。でも、このカードをアイツには渡したくない…」というジレンマに襲われる上に手札補充を適宜しないとアクションの選択・相乗りも、状況にあった建物の選択もできないというジレンマ…
  「十分に複雑なゲームだというのはわかった!そろそろプレイ模様に入るのかな?」と期待した皆様!まだ大事なところを説明してません!
  なんとこのゲームの建物は特殊能力だらけです!完成した時にたくさんのアクションを行えるものから、アクションの効果を拡張するもの、ゲームの終了条件を変えるものまで盛り沢山!
(あと、金庫の中身で部門Top争いでのボーナス得点もあったりしますよ^^ ほんとうに盛り沢山で楽しいですね ;-) )

こんなゲームだから当然プレイ風景はこんなんだ!

ヒェーどこが自分の場かわかんねぇぜぇー

  1回やっただけでは訳の分からないゲームである。終盤になってやっと「ああ、こういうゲームだったのか」とわかり、2・3回やって「あ、建物の効果も考慮に入れて戦略ねらないと運ゲー」と気づいたゲームである。てんこ盛りのシステムと、建物の特殊能力のお陰で多様な戦略が約束されている(と思う まだ、戦略思いつくほどやっていない…)
  初心者向けでは全くない。本当に薦められない。アートワークも残念だしコンポーネント力で圧倒することもできなければ、システムも複雑に過ぎる。後、ピュアユーロゲーム大好きで特殊能力なんて少なければ少ないほどよいという人にも薦めにくい。特殊能力満載ごちゃごちゃゲーだしね…
  しかし、そうではない人には1度やってほしいゲーム!独特のプレイ感と満載されたシステム・特殊能力でリプレイ欲がぐんぐん湧いてくる。職業選択相乗り制なのでダウンタイムも少なく、職業の一つが両隣のプレイヤーへの露骨な攻撃なので4人が良い感じなのではないかと思っています。私は嵌ってしまったのでヘビープレイしたい欲求に駆られています…
本当にイノベーション・Glory to Rome会欲しいです…

2012年7月18日水曜日

レビュー トリックマイスター

プレイ中 実はこの札弱い… 
強くなるようにルール出したはずなのに


  トリックマイスターは毎ラウンドごとにルールの変化する変なトリックテイキングゲームです。作者は『電力会社』のフリードマン・フリーゼ。なんとなく納得がいきますね。
  トリックテイキングの説明は省きます。要はカードゲームの1ジャンルだと思ってください、日本で比較的知名度があるのは「ハーツ(ブラックレディ)」、「ナポレオン」かな?
基本のルールは非常に淡白です。切り札なし、マストフォロー、トリックの獲得はフォローできた札の中で一番数の大きいもの、1トリックで1点。
  各々が最初のラウンド開始前にルールカードを選び一気にルールが複雑怪奇になります。(ならない時もあります)切り札が決まるのはもちろんのこと(結局切り札がないときもありますが)。得点の正負を最後に反転だとか、15のカードは追加でマイナス3点だとか、1トリックの最後に札を出した人がリードプレイヤーだったことになるとかリードプレイヤー以外はカードを裏向きに出すとかがあります。しかも、自分が有利になるようにみんながルールカードを出すので、たいていごちゃごちゃなルールになります。ここらへんのハチャメチャ感を楽しめるかどうかでこのゲームを受け入れられるかが決まるのかもしれません。
  何回かやったのですが得点の部分が毎ラウンドごとにぶれてしまうことが多い(すごくプラスのラウンドやすごくマイナスのラウンドができる)。そこで、たまたま強い手札を持っているプレイヤーが、大きく得点を伸ばして、そのまま差が大して縮まらずに、そのプレイヤーが勝つ場面がそこそこある。ここらへんを考えると、1ラウンド1ラウンドでどれくらい上手くやれるのかを試すゲームとしてやったほうが楽しいだろう。私は軽い気持ちでできる「トッリクテイキングのパーティーゲーム」だと思う。個人的には好きです。


謎師匠 箱絵