2017年2月4日土曜日

スルージエイジズ 各要素覚書(初級者向け)

本ゲームは海外でよくボトルネックのゲームと言われる。あちらをたてれば、こちらがたたずと数多くある要素のうちどれかが足りなくなるゲームである。これを踏まえて、要素ごとの解説。

・農場・食糧・人口

黄色トークンで表される人口は各都市建築物(灰色)、鉱山・農場(茶色)、軍事(赤色)にそれぞれ配置することによって、科学点や文化点などを産出することができる。

人口は食糧を消費することによって得られる。食糧の獲得は【食糧産出量-食糧消費量】によって行われる。食糧消費量は人口が増えるごと(黄色バンクからトークンが失われるごと)に増えるため、食糧産出量を増やさないとゲーム後半で振り分ける人口がなくなり、後半に振り分けたい軍事力や文化点産出が伸びなくなる。
食糧は人口を増やすためにしか使用されないため、最初から配置されている2つ以上に農場へ人口を配置するよりは、技術によってアップグレード先をつくり産出量を確保することが通常の流れになる。
また、人口を増やすために内政行動数を1つ使用するため、内政行動数が少ないとそもそも人口を増やすための手数が不足し、人口不足および腐敗が発生しやすくなることも起こる。これは序盤で内政行動数が少ないときにおこりやすい。

食糧はアクションカードでも手に入れることができる。そのまま食糧を産出する予備・備蓄と人口増加後に食糧を産出してくれる倹約である。予備・備蓄は内政行動数が余計にかかることがネックである。倹約については食糧産出力がある程度あるか、人口増加のタイミングに都合よく手に入らないと手札で腐りがちになる。

・鉱山・資源

青色トークンで表される資源はゲーム中のほとんどのコストの支払いにあてられる。(驚異の建築コスト、都市建築物・鉱山・農場・軍事への建築(人口配置)コスト・改良コスト)

基本的には毎ターン鉱山から産出される、食糧と違い毎ターンの減産はないが、腐敗という青色トークンがどれくらい使われているかによって、頭打ちをかける方法がとられているので、毎ターン出てくる資源を使わずに素直に貯めることはできないようになっている。これを回避する方法は青色トークンをストックから取ってきて増加させればよいのだが、青色トークンを増加させるカードで、確実にでてくるものが意外と少ないため、ここの頭打ちを避けるのは難しい。(法制度、公務員制度、タージマハル 確実には出てこない:植民地や他のイベント)

資源はアクションカードの多くで実質的に獲得すること(支払を軽減すること)ができる。アクションカードの取りやすい2人戦では鉱山を比較的軽視しても、アクションカードを使えるようにしておけば(=内政アクション数を増やしておけば)、補うことが可能。アップグレード先の鉄や石炭はあると確実に便利なのだが、改良に資源を使って資源を増やすことになるため、地道にあげているうちにアクションカードで楽をした他プレイヤーに差を付けられることも多い。ただし、改良していないと後半の建築物、軍事コストへ使う資源が足りなくなるのは事実のため、どのあたりまで軽視するのかは慣れが必要である。(初心者の内は必ず鉄を取らないと…となりがちだが、一度無視してプレイしてみるのはおすすめである、その場合は内政アクションを増加させるカードを重視してみること)

・科学

技術カードを手札から出す(発見する)ために必要なので、これを無視してこのゲームをすることはできないくらいに重要。特に狙いがなければ、(最初のカード獲得を0ターン目として)1ターン目か2ターン目には哲学に2人目を送り込んでおくのが定石プレイ。これがなくなると食糧、資源、軍事、文化とすべての面で後れを取ることになる。かといって、錬金術を取る→錬金術を建てる→科学的手法が出てきたので取る→建てる…のような行動をやっていると、基礎工事ばかりやっていて肝心の家が建たないということになりかねないので、どこかで他の要素に振り分けていく必要はある。
また、政体(オレンジ)や特殊技術(青)によって、内政アクション数や、軍事行動数を増やさなければ、手数不足に陥るため、科学点を上手くやりくりし時代ごとに必要な政体や特殊技術を出す必要もある。(内政行動数が少ないと、場からとれるカードにかなりの制限がかかるため、想像以上に重要である。増やしてみると分かるが増やしてもほとんど余ることはない。)

【2人戦】時代Ⅱからは直接科学点を獲得できる革命的アイディアが出てくるが、Ⅰの時代には後から帰ってくる式のブレイクスルーしかないため、アクションカードで代替できる余地は序盤は少なめ・中盤そこそこといったところである。

・軍事(戦力)

ここと次の文化がスルージエイジスの本当の“実”にあたる部分である。これまでにあげてきた、諸要素は最終的に軍事力か文化力に振り向けられる。ゲームに勝つ為には、文化点の値を最大にしなくてはいけないのであるから、文化点を上げるのは当然だと考えるかもしれないが、文化点はゲーム中になにも影響を及ぼさない(むしろ高いとテロリズムの的になるだけだったりする)。また、戦力についても、イベントを次の山に仕込むというルールのため、イベントを有利に進めるにしても即時性はなく、直接攻撃の方も相手の戦力をかなり超えていなければ、失敗し、相手の軍事カードを減らすくらいで、たいした効果は得られない。

そう考えると、軍事との付き合い方は3つ、①相手より少し大きい戦力を用意し、イベントを中心に進める②相手の戦力を大きく超える戦力を用意して、侵略して資源を奪う③自分からは積極的に動かずに相手に合わせるである。
まず、戦力を決めるのは戦術カードであるということを指摘したい。同時代の技術カードには戦力の差はないため、投入する人口と陣形カードで戦力差はほぼ決まると思って間違いない。
そのため、自分が戦術カードを引けていないときは、相手の技術カードに合わせて自分も技術カードを獲得すべきである。例えば、時代1で騎士を獲得しないことはそれ自体がリスクになりうる。相手が中世の軍隊(馬1・歩1で戦力+2)を出した時に自分が騎士を持っていない場合は、時代Ⅱの騎兵ユニットの出現まではずっと戦術カード分の差をつけ続けられることになる。

また、戦術カードは特に時代Ⅱの物が強力である。(古典的軍隊は歩歩馬馬で+8、ナポ式軍隊は砲歩馬で+6)時代1がユニット2体で+2とか3体で+4に比べるとボーナスが非常に大きい。時代1の技術カードがないとこのボーナスがフルに受けられなくなるため、軍拡競争において不利に立たされることは必至である。時代3は時代ⅡとⅢのみでユニットを作らないといけないため、ボーナスをフルで受け取るのは比較的準備に時間がかかる。その代わりにボーナスも大きい。相手が時代Ⅲの軍事ユニットを建てようとしているなら、こちらも対策が必要である。
次に軍事行動数である。軍事ユニットを建てる目的はイベントカードや侵略カードを使用するためなのに、これを支える軍事カードを引く枚数が軍事ユニットを建てるたびに減っていくようでは本末転倒である。(保持できる軍事カードの枚数にも影響するので、選択肢の確保のためにも重要である)
軍事行動数は政体の変更か、特殊技術カードによるものが大きいため、ここは科学力との兼ね合いになる。初期の軍事行動数2は明らかに少ないため、少なくとも時代1の政体を獲得するか、時代Ⅱで戦術(特殊技術カード)を獲得する必要があるだろう。

ここまで、直接的な軍事の有用性を見てきた。見方を変えると軍事優位があれば相手から妨害を受ける要素はかなり少ないのが、このゲームであるということもわかる。
つまり、軍事優位を取り、人口を増やし文化を産出する都市建築物(劇場・書庫)を建ててしまい妨害を受けずに文化点に差をつける方法は成り立つ。 “軍事でふたをする”ような状態である。ここで相手が軍事を軽視すれば(ほとんどないと思われるが)、再度軍事に振り向け侵略を仕掛ければよいし、軍事に追いつこうとして来れば、相手が軍拡レースで上回るのに係ったターン分が文化点差として手に入る。初めに“実”という表現を使ったが、軍事力をどのようにして実に変換するのかがこのゲームでの軍拡路線の面白いところである。

・文化

文化力を直接あげる建築物は劇場系・書庫系がある。書庫は時代Ⅰの印刷機の出方次第で、最初の数ターンに出てこない場合は哲学に回してしまうため印刷機が活躍する場が少ないと感じている。劇場系では、時代Ⅲの映画が一番建設されるだろうがこれは強いからではなく時代Ⅲに点数行動するとこれになることが多いからである。
個人的に取りたいのは時代1の演劇である。科学点も軽いし、コストも安い。しかし、時代Ⅰはすべての項目において忙しくなかなかこの技術がとれない。2人戦だと1枚しかないことも取れない理由として大きい。時代Ⅱのオペラはどちらのコストも重いが、演劇がなければこれを取るしかない。(これを取らない場合、コスト11の映画を直接建設することになるため、資源をねん出できるのかも問題になる)
様々な指導者等の効果により早期から文化力を上げ、相手の猛攻をしのいで勝ち逃げするプランもあるのだが、蛮族である筆者が試せていないため、薄い概略で文化の項目を閉めることにする。申し訳ない。

・指導者

特に注意するものをまとめる(強いから必ず書くものではない)
時代A:特になし
時代Ⅰ:ミケランジェロ 最高でも文化は8しか生み出さない(幸福値の上限)
時代Ⅱ:ナポレオン あなたがナポレオンをとらないならば、相手はナポレオンを取る権利があるのだ 軍事行動数を2伸ばし、兵科ごとに+2の修正を与える能力に追いつくのは並大抵のことでは難しい、相手に取らせて自分が追い付けないなら自分が取って戦力を伸すべきである。(あるいは戦争に耐えうる文化点差を稼ぐか、イベントカードでⅢの時代に殺そう)なんにせよナポレオンを取らなかった場合のビジョンを構築しないのはそれだけで敗因になりうる。
時代Ⅲ:研究所系にしか絡まない ビルゲイツ、シドマイヤー
研究所を獲得していないなら無意味な指導者になる。(ここらへんで書庫系はマイナスがつく)
アインシュタインは科学力ブースト系の時代Ⅲ版である。技術をコンスタントに発見できるなら、文化点も稼いでくれる。
ガンジーは相手の侵攻、戦争を多少防いでくれるが絶対的なものではない。軍事行動数3を2倍にしたところで6でしかないので、軍事行動数を少しでも伸ばしている相手にはガンジーを取ったから完全に軍事を放棄するということは出来ないことに注意。

驚異

人口を使うことなしに、諸要素を伸ばすことができるため、どの驚異もかなり見た目上の効率はよい。ただし、内政行動数と資源を多く消費するため、自分に必要な驚異を選んで適切なタイミングで建てることが重要になる。(基本的には驚異は建てることができれば、後は収支プラスに働くのでアクションカードの天才技術者はコストが1や2であれば、取り得である場合が多い)
以下個別に
時代A:ピラミッド、空中庭園、アレクサンドリア図書館、巨像の順で便利
時代Ⅰ:サン・ピエトロ大聖堂 幸福問題を1つで解決する驚異の鑑
時代Ⅲ:インターネットはシド・マイヤーと組み合わせないと弱い、他はそれなりに点数を出してくれる

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